Uber Eatsの配達員として軽自動車を使うには、黒ナンバーが必要になります。でも、「黒ナンバーって一体何?」「どんな手続きをすればいいの?」そんな疑問に、初心者の方でもわかりやすいように解説します。
特に、軽乗用貨物自動車(5ナンバー)と軽貨物自動車(4ナンバー)の違いに注目して、それぞれの特徴や手続きのポイントを紹介します。どちらを選べば良いのか迷っている方も、この記事を読めば、しっかり理解できるはずです!
5ナンバー、4ナンバーって?
まず、5ナンバーや4ナンバーって何か気になるところですよね。実は、ナンバープレートの番号で、車の種類や用途を示しています。
ナンバープレートの例:「札幌580 あ00−00」の「札幌」の後ろに書いてある3桁の数字が、ナンバーの種類を示しています。
- 5から始まる番号は、軽乗用貨物自動車(5ナンバー)
- 4から始まる番号は、軽貨物自動車(4ナンバー)
黒ナンバーってなに?

黒ナンバーは、商業利用のために使う車に付けられるナンバープレートです。黒色の背景に黄色い文字で記載されているため、多くの人が黒ナンバーと読んでいます。正式には貨物軽自動車運送事業ナンバーというようです。Uber Eatsのような配達業務を行う場合、黒ナンバーの車を使わないといけません。黄色ナンバー(自家用)では配達できないんです。
理由は貨物自動車運送事業法で制限されているからです。
貨物自動車運送事業法 第四章 貨物軽自動車運送事業
そのため、配達を始める前に、黒ナンバーを取得することが大切です。
Uber Eatsなどのフードデリバリーサービスは通報システムを導入していることが多く、お客さま・店舗・配達員から不正を通報される恐れがあるため、必ず登録している黒ナンバーの車両で配達して下さい。
軽乗用貨物自動車(5ナンバー)と軽貨物自動車(4ナンバー)の違い

軽乗用貨物(5ナンバー)と軽貨物(4ナンバー)、一見似ているようですが、実は少し違うんです。
Uber Eats配達員の目線から違いを見ていきましょう。
軽乗用貨物(5ナンバー)
- 対象車両:主に3人以上乗れる軽自動車が対象です。
- 特徴:令和4年(2022年)から始まった新しい制度(軽自動車貨物利用制度)です。軽自動車をそのまま貨物利用として登録できます。
- メリット:ほとんどの場合、指示された書類を提出するだけで登録が進みます。また、自動車税が安くなるため、少しお得です。私の場合は一般的な軽自動車税10,800円が6,900円になっています。
軽貨物(4ナンバー)
- 対象車両:貨物用軽自動車が対象です。
- 特徴:最大積載量を表示しなければなりません。貨物用として作られていない軽自動車を登録したい場合は、改造(構造変更)して荷物を積むスペースを作る必要があります。車を改造した場合、再度車検を受ける必要があり、これには費用がかかります。例えば、私の場合は検査費用等39,103円かかりました。
- メリット:軽バンを登録すると、Amazonさんやヤマト運輸さんの荷物を運ぶこともできるようになるため、業務の幅が広がります。一般的な軽自動車税10,800円が3,800円になります。
東京運輸支局が公開している「貨物軽自動車運送事業者ハンドブック」がわかりやすいため合わせてご覧ください。
【新規で事業を始める】黒ナンバーの取得方法|軽乗用貨物(5ナンバー)

軽貨物(4ナンバー)は改造と車検が少し大変で、時間とお金がかかるため、今のUber Eats配達には向いていないです。
そのため、ここでは軽乗用貨物(5ナンバー)の取得方法を初心者の方でもわかりやすいように解説します。
これを読めば、すぐに配達業務を始める準備が整いますよ!
軽乗用貨物(5ナンバー)の取得方法
軽乗用貨物(5ナンバー)を取得するには、運輸支局と軽自動車協会で手続きを進める必要があります。それぞれの場所で行う手続きは以下の通りです
1.運輸支局での手続き
まず最初に、運輸支局に行って、貨物軽自動車運送事業経営届出を行います。これで、軽自動車が配達業務に使える車として登録されます。
必要な書類
申請書には提出用と自分の控え用の2枚必要な書類があります。
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書【2枚】
- 運賃料金設定届出書と運賃料金表(配達料金を決めるためのもの)【2枚】
- 事業用自動車等連絡書(車両と事業を結びつける書類)
- 車検証(コピーでもOK)
これらの書類は、各都道府県の運輸局のウェブサイトなどからダウンロードして事前に記入できます。もちろん、運輸支局で書類を受け取って記入することも可能です。書類の提出方法や記入の仕方については、運輸支局によって少し違う場合がありますので、最寄りの運輸支局に確認しておくと安心です。
2.軽自動車検査協会での手続き
運輸支局での手続きが終わったら、次に軽自動車検査協会へ行き、黒ナンバーに変更します。この時、車のナンバープレートを新しい黒ナンバーに交換します。
必要な書類
- 押印済みの事業用自動車等連絡書(運輸支局で手続きしたもの)
- 自動車検査証(車検証の原本)
- 現在使用しているナンバープレート
ナンバープレートの発行には、1,500〜2,000円くらいの費用がかかります。
(私のときは1,800円でした)
ナンバープレートの交換作業は自分でやる必要があります。
交換作業とは、ドライバーなどを使って古いナンバープレートを取り外して、新しく交付されるナンバープレートをネジで取り付ける作業のことです。(札幌市の場合はお願いすれば工具を貸してくれます)
車をローンやリースで用意していて、車検証の所有者(使用者)が自分の名前じゃない場合は、所有者からの申請依頼書も必要です。
申請書の書き方

北海道運輸局 様式ダウンロードページ
国土交通省 貨物軽自動車運送事業経営届出書ダウンロードページ
注意点
- 説明をわかりやすくするため、記入する場所などを赤字で記載しています。
ご自身で作成する場合は黒字で作成してください。 - ここでは北海道運輸局の様式を使用していますが、文字が途中で切れたりしています。
不安な方はご自身の住んでいる地域の運輸局の様式を使用してください。
貨物軽自動車運送事業経営届出書【2枚】
貨物軽自動車運送事業経営届出書(Excel)
(クリックで北海道運輸局からダウンロードされます)

運賃料金設定届出書【2枚】
運賃及び料金設定(変更)届出書(Excel)
(クリックで北海道運輸局からダウンロードされます)

貨物軽自動車運送事業運賃料金表 見本【2枚】


UberEatsからの提案の根拠は以下の通りです。
8. 運輸局で提出する書類の 1 つに、運賃料金設定届出に添付する運賃料金表があります。Uber Eats での配達では、エリアや時間帯などさまざまな条件によって配送料が異なると思いますが、どのように記入すれば良いですか?
- 国土交通省は、距離や時間制の料金体系、割増率などを詳細に記載する項目を設けた運賃料金表のひな形を提供しています(関東運輸局千葉運輸支局の例。2 ページ目がひな形、3 ページ目が記入例)。一方、受注 1 件ごとに配送料が決定され、さまざまな条件によって料金が変動し得る Uber Eats のデリバリーでは、ひな形およびその記入例をそのままご利用いただくことは難しいかと思います。
- そこで、Uber Eats としては、運賃料金設定届出書(ひな形リンクの 1 ページ目)については様式の通りご記入いただいた上で、運賃料金表については白紙に以下の通り記載いただくことを提案しております(ただし、もし国土交通省または運輸局から個別に指導などがありましたら、それに従ってご対応ください)。
記載例)
- Uber Eats との間の契約に基づいて、個別の配達ごとに、配達に要する予測配達距離や時間、荷物の引き取り先や配達先の数、交通状況、予定外に生じた遅れや待ち時間、市場の需給状況などのさまざまな事情を総合考慮して、運賃料金(配送料やプロモーションを含む)を合意する。これにより、配達 1 件当たりにつき xx 円〜 xx 円の運賃料金(*特定の金額が保証されるものではありませんが、ご自身の経験や想定に基づいて、大体の金額をご記載ください)となる。
事業用自動車等連絡書

黒ナンバー取得時の注意点

黒ナンバーを取得する際には、いくつかの注意点があります。特に、車検証の所有者名義や提出書類に気をつける必要があります。少し準備が必要ですが、しっかり確認しておけば、スムーズに進めることができますよ!
- 自分名義の軽自動車を用意しよう:もしローンやリースで軽自動車を用意している場合、所有者からの申請依頼書が必要になることがあります。例えば、私がホンダの自動車ローンを使って車を購入しようとした際、ホンダでは黒ナンバーへの変更を認めていないと言われました。ローン会社によっては、申請依頼書をもらえないことがあるので、自分名義で購入できるローン会社を選んでおくと、手続きがスムーズになります。もし不安な場合は、申請依頼書がもらえるかどうかを事前にローン会社に確認しておくと安心です。
- 運輸支局と軽自動車検査協会の場所を確認しよう:運輸支局と軽自動車検査協会の場所が離れていることがあります。特に、一日で登録手続きとナンバープレート変更を済ませたい場合は、移動の時間をしっかり確認しておくことが大切です。もし書類に不備があると、さらに時間がかかることもあります。事前に場所や移動時間を調べておくことで、予想外のトラブルを避けることができますよ。
- 書類を確認しよう:運輸支局に提出する書類には、2枚必要なものがあります。もし1枚しか持っていかないと、その場で書き写す必要が出てきて、手間がかかってしまいます。事前に必要書類をしっかり確認して、忘れずに2部持って行くようにしましょう。
まとめ
黒ナンバー:商業利用のために使う車に付けられるナンバープレート。
軽乗用貨物(5ナンバー):3人以上乗れる軽自動車が対象。軽自動車をそのまま貨物利用として登録。軽自動車税6,900円。
軽貨物(4ナンバー):貨物用軽自動車が対象。貨物用じゃない軽自動車は構造変更が必要。軽自動車税3,800円。
軽乗用貨物(5ナンバー)取得方法:運輸支局と軽自動車検査協会へ申請書等を提出することで取得する
運輸支局の提出書類
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書
- 運賃料金設定届出書と運賃料金表
- 事業用自動車等連絡書
- 車検証(コピーOK)
軽自動車検査協会の提出書類等
- 押印済みの事業用自動車等連絡書
- 自動車検査証(原本)
- 現在使用しているナンバープレート
黒ナンバーを取得するためには、少しの準備が必要ですが、自分名義の軽自動車を用意し、必要書類をしっかり準備すればスムーズに手続きを進めることができます。
少し手間かもしれませんが、これを確認しておけば、安心して手続きを進めることができますよ!