配達員が実際に比較!Uber Eats・出前館・Wolt・menu4社の報酬データを公開

はじめに

「フードデリバリーって本当に稼げるの?」
そんな疑問にお応えするために、実際の配達報酬データをもとに、主要4サービスの比較を行いました。

今回の集計対象は、札幌エリアで軽自動車を使った配達です。
集計したデータは、合計34,657件分の配達実績に基づいており、現場のリアルな数字を反映しています。

これから副業として配達を始めようとしている方、あるいは今より効率よく稼ぎたいと考えている現役配達員の方にとって、少しでも参考になればうれしく思います。

各社の平均データまとめ(札幌・軽自動車)

ここでは、札幌エリアで軽自動車による配達を行った実績データをもとに、主要4アプリの平均値をまとめています。

全体のサンプル数は34,671件。
このうち、Uber Eatsが全体の54.3%と最多、続いて出前館が38.5%を占めています。

なお、Woltは最低報酬が230円に改定されて以降、稼働を控えるようになったため、サンプル数が少なめです。
もし最近Woltで稼働されている方がいれば、情報を提供いただけると、とてもありがたいです。

サービス名1配達の平均報酬サンプル数週の平均収益備考
Uber Eats516円18,831回¥59,248.6配達エリアが広い
出前館530.5円13,351回¥43,190.7中・近距離が中心
Wolt552.3円1,938回¥6,525.9非稼働期間あり
menu650円551回¥2,184.5高単価案件の稼働

※menuについては、効率の良い高報酬案件のみを選んで配達しているため、平均単価が高く出ています。

報酬単価や効率で見る、各社の特徴

今回の集計で算出した全体の平均報酬は、1配達あたり525.8円でした。

「冬や年末年始は稼げる」とよく聞きますが、実際は1件あたりの平均単価が600円台に落ち着くことが多く想像するほど爆発的に上がるわけではないと感じています。
1件で1,000円を超える配達も確かに増えるものの、全体の平均が大きく跳ね上がるほどではありませんでした。

高報酬だった週の例(参考)

以下は、1配達あたりの報酬が特に高かった週のデータです。

サービス1配達平均報酬
Wolt2024年1月1,387円
Wolt2024年2月1,219円
Wolt2024年5月1,190円
menu2025年4月1,146円

※件数が少ない週や、高単価案件のみを狙って稼働した結果の数字であるため、「副業でおいしい案件だけを拾ったらこのくらいになる」という参考値としてご覧ください。

配達数が少ないと、1件あたりの単価が高くなる傾向があります。
そのため、単純に「1配達平均が高い=稼げる」とは言い切れません。
あくまで「どういったスタイルで稼働したか」によって、数字は大きく変わるという点にご注意ください。

Uber Eats:自由度は高いが単価はやや低め?

最低報酬:320円

最高週平均:714.2円(2024年3月)

最低週平均:312.8円(2025年6月)

Uber Eatsの魅力は、なんといっても注文数の多さと稼働の自由度です。
24時間いつでも配達できるので、自分のライフスタイルに合わせて働きやすいのが特徴です。

クエスト未達成は要注意

ただし、「クエスト(インセンティブ)」を達成しないと、報酬単価が大きく下がる傾向にあります。
私自身、クエスト未達成だった週に、1配達あたり312.8円という低単価になったこともありました。

単価が下がりやすい場面

  • 同時等達(2~3件)を受けたとき:1件あたりの報酬は下がる傾向にあります。
  • 評価など条件を満たしていないとき:現金配達をOFFにしていたり、注文の受諾率が低いと、リクエストが途切れがちになり、時間あたりの収益が落ちる印象があります。

一方で、評価が高く、キャンセル率が低い、現金配達をONにしているなどの条件を満たすと、リクエストが安定しやすくなると感じています。

補償やチップ制度の有無

  • 待機時間や遅延による調整報酬:店舗の準備待ちや渋滞などで時間がかかった場合、追加報酬が加算されることがあります。
  • チップ制度:運が良ければ、想定以上の収益になることもあります。

キャンセル時の補償ルール

  • 商品を受け取る前にキャンセルされた場合など:基本的に補償はゼロ。
  • 商品を受け取った後にキャンセルされた場合など:一律200円支給。

実際にあったエピソード

  • 真冬の深夜、約10km走って店舗に着いたら閉店していた…
     → このときは200円の補償のみ。
  • 1~2年前の話ですが、店舗で60分待機、配達含めて90分で1,300円
     → 時給換算すると微妙ですが、こういうケースもあります。

総評

Uber Eatsは、「好きな時間に気軽に稼働したい方」には非常に始めやすいサービスです。
一方で、しっかり稼ぐためにはクエストの達成や高評価の維持、そしてある程度の“運”も必要になります。

全体としては、「収益を安定させる工夫が求められるアプリ」という印象です。

出前館:配達に慣れてきた人におすすめ

最低報酬:433円(確認できた最小報酬)

最高週平均:702円(2024年12月)

最低週平均:455.6円(2024年10月)

出前館は固定報酬を採用しており、基本的に配達リクエストを受けた時点で報酬が確定します。
そのため、どれだけ早く配達を終えても、あるいは遅れても、基本的には報酬は一定です。

固定報酬制のメリットと注意点

料理の準備が遅れても、渋滞に巻き込まれても、報酬が増減することはありません
こうした時間ロスが報酬に反映されないため、効率重視の方にとってはストレスに感じる場面もあります。

一方で、予期せぬトラブルが発生した場合でも、配達員に過失がなければ報酬が満額支給される点は大きな安心材料です。

配達員に過失がなければ、報酬は満額支給

私が実際に経験した中で、以下のようなケースでも報酬が支払われました。

  • 店舗に到着したが、商品受け取り前にお客さまからキャンセルしたいと言われた
  • お盆や年末年始などの長期休暇中にお店が休業していた
  • お客様の住所が引っ越し前のままになっていた
  • 代引き注文で支払金額が不足していた

これらは配達員の責任ではないと判断され、報酬は通常通り支給されました。

配達員に過失があると判断されると、連絡なく該当の配達報酬がゼロになっていることを確認した経験があります。

総評:経験が報酬に直結しやすい

出前館は、中~近距離の配達が多く、エリア内の道に慣れている配達員に特に向いているサービスです。

  • 早く配達すれば次の案件を受けやすくなる
  • 結果的に時間あたりの売上が増えやすい

実際、「冬季に月100万円以上稼いだ」という配達員の声も耳にしました。
※あくまでご本人の申告ベースで、報酬明細などを確認したわけではありません。

ただし、以下のようなケースでは収益性が下がってしまうこともあります。

  • 店舗やお客さまの場所が分からず時間がかかった
  • 除雪や工事で通行不可→迂回ルートが分からない
  • 料理の準備に時間がかかる

このように、出前館は「地理感覚や経験が報酬に直結しやすい」サービスです。
道に慣れた中級者以上の配達員にとっては、高効率・高安定の稼働がしやすいアプリだと感じます。

Wolt:高単価の配達もあるが波がある

最低報酬:230円

最高週平均:1,387円(2025年1月)

最低週平均:357円(2024年6月)

Woltはフィンランド発のフードデリバリーサービスで、現在はアメリカのDoorDash(ドアダッシュ)傘下にあります。

冬季は高単価の案件が多く人気を集めていますが、最低報酬が230円に引き下げられて以降、個人配達員の稼働が減った印象があります(最近は少し戻ってきた気配もあります)。
私自身も冬季には活用していますが、雪解け後はほとんど稼働せず、非稼働期間が続いています

法人契約ドライバーが主流に?

少し前から、Woltのロゴ入りラッピング車両や専用ユニフォームを着用した法人ドライバーが目立つようになってきました。
その影響もあってか、個人配達員向けのインセンティブは減っている印象を受けます。

リクエストの仕様と報酬の挙動

  • リクエスト提示時間が長め:アクセスしづらい店舗や、敬遠されがちな配達先が残っている印象です。
  • 調整報酬が導入された:料理の準備待ちが長引いた場合、一定時間を超えると報酬が加算されるようになりました。
     これにより、「店舗都合で長時間待たされる不満」が少し緩和されたと感じています。

キャンセル時の報酬について

私が実際に経験したケースでは

  • 店舗が閉まっていた
  • お客様が不在だった

といった状況でも、報酬が支払われないことがありました。
(※現在は仕様が変わっている可能性もあるため、最新情報の確認をおすすめします)

総評

Woltは、高単価の案件に出会えることもありますが、最低報酬が非常に低く、報酬の波が大きい印象です。
安定して稼ぐには、タイミング・エリア・キャンペーンなどの条件がそろう必要があり、ややクセのあるサービスとも言えるかもしれません。

また、法人ドライバーが多いエリアでは個人配達員がリクエストを受けにくくなる傾向もあるため、Wolt単独ではなく、他社との「マルチ稼働」を前提に利用するのが現実的だと感じています。

menu:ランクによって報酬が上下するユニークな仕組みだが、案件が少ないのが課題

最低報酬:330円〜(ランクにより変動)

最高週平均:1,146円(2025年4月)

最低週平均:346.5円(2025年4月)

menuは、レアゾン・ホールディングスとKDDIが共同出資する、日本発のフードデリバリーサービスです。
ゲーミフィケーション的な要素が特徴で、配達を重ねることで経験値がたまり、ランクが上がると報酬もアップしていきます。

このシステムにはやりがいを感じられる一方で、配達件数が少ないとランクが下がり、それに応じて報酬も下がるため、評価が分かれるポイントでもあります。

専業稼働には厳しめ、案件数の少なさがネック

menuは国産サービスとしての安心感がありますし、冬季やゴールデンウィークなどの繁忙期には高単価案件が出ることもあります。
しかし、年間を通しての案件数は少なめで、menuだけで生活費を稼ぐような「専業稼働」は現実的に厳しい印象です。

特にピーク時間帯になると、同じ配達リクエストが何度も再提示されることがあります。
これは、おそらく提示された報酬が低すぎて配達員が誰も受けないためだと思われます。

さらに不可解なのは、再リクエスト時に報酬が下がるケースがあることです。
たとえば、最初は700円で表示されていた配達が、再提示された際には400円になっていたというような事例もありました。
この仕様には納得できないと感じる配達員も多いのではないでしょうか。

誤配時の対応には注意が必要

私の経験では、誤配が発生した際にサポートへ事情を説明したものの、お客さまの証言を優先されて報酬がゼロになったことがありました。
サポートの対応は担当者によって差があり、こちらに落ち度がないと感じていても報酬がカットされるケースがある点には注意が必要です。

総評

menuは、ランク制度やチップ機能、そして国産企業による運営といった独自の魅力があります。
しかし一方で、案件数の少なさ・報酬の不安定さ・サポート体制の対応にやや不安が残るアプリでもあります。

そのため、menuは他社サービスと併用(マルチ稼働)しながら、スキマ時間に高単価案件を狙うような使い方が現実的かもしれません。

距離が長く、単価が低いような案件は、法人契約の配達員に任せてしまうのが効率的だと感じています。

配達員としての肌感とデータのズレ

実際に稼働していて感じるのは、データ上の平均値と実際の体感には少しギャップがあるということです。
とくに冬場は「稼げそう」というイメージを持たれやすいですが、実は報酬単価が思ったほど伸びない要因も多く存在します。

冬=高報酬=高効率…とは限らない

冬季は天候の影響もあり、高単価案件や特別クエストが出やすく、週全体の収益としては上がりやすい傾向があります。

ただしその一方で、

  • 同時配達(2〜3件)を受けることが増える
  • 長距離の配達が多くなる

といった事情から、1件あたりの単価は想像よりも上がらないこともよくあります。

Uber Eats:クエスト未達成で一気に単価がダウン

Uber Eatsでは、クエスト(インセンティブ)達成の有無が収益に大きく影響します。

私自身も、クエスト未達成が続いた週は、最低報酬の320円を下回る週平均「312.8円」を記録したことがあります。

また、以前は配達に時間がかかった場合に調整金(補填)が加算されるケースが多かったのですが、最近はその加算が鈍くなってきた印象もあります。

出前館・menu:固定報酬ゆえの“時間損”を感じやすい

出前館やmenuは、配達を受けた時点で報酬が固定されるタイプのアプリです。

そのため、

  • 店舗での待機時間
  • 冬の雪道での遅延
  • 渋滞や交通規制など

こうした要因があっても報酬には反映されず、時間単価が下がるばかりというケースが少なくありません。

特にmenuは、1件あたりの単価が高めに見えても、案件数が少ないため収益が安定しないという難しさもあります。

Wolt:最低報酬の低さがネック

Woltは、2024年ごろに最低報酬が230円に引き下げられたことで、専業で稼働するには正直厳しいと感じることが多くなりました。

たまにアプリを開いてチェックしてみると、Uber Eatsを意識したような報酬設定にはなっているものの、距離のわりに報酬が低いと感じるケースが目立ちます。

もちろん、まれに高単価の案件に出会えることもありますが、それ以外は「やや劣化版のUber Eats」という印象を受けることも。
ただし、アプリや仕組みの改善が頻繁に行われている点は好印象で、「良くしていこう」という運営側の姿勢は感じられます。

また、登録店舗の数が多く、札幌駅の地下街など、集荷に少しコツがいる場所も少なくないため、初心者にとっては難しく感じる場面もあるかもしれません

総評

データ上では「冬は稼げる」という結果が出ていたとしても、実際の現場では次のような“ズレ”を感じることが多いです。

  • 同時配達の影響で、1件あたりの単価は伸びにくい
  • 固定報酬制では、時間のロスがそのまま効率低下に直結
  • 案件数が少ないサービスでは、そもそも稼働が難しい

こうしたリアルな課題は、実際に配達しているからこそ見えてくる部分だと感じています。

どれを選ぶべき?初心者・副業・ガチ勢別のおすすめ

フードデリバリーアプリは、それぞれに特徴があります。
どれを選ぶかは「副業で気軽に始めたい」「本業として安定して稼ぎたい」など、目的によって異なります。

ここでは、目的別のおすすめアプリをご紹介します。

副業・初心者におすすめ:Uber Eats または Wolt

「まずは気軽に始めてみたい」「スキマ時間でお小遣いを稼ぎたい」――
そんな方には、Uber EatsまたはWoltがおすすめです。

▶ 特におすすめなのは Uber Eats

理由は次のとおりです。

  • アプリが若干使いやすく、操作に迷いづらい
  • 登録店舗のバランスがよく、集荷がスムーズにいきやすい
  • 待機時間に対する「調整金」や、チップ制度がある
  • キャンセルが比較的しやすく、地雷案件を回避しやすい

🚨 キャンセルしすぎると評価に影響する場合もあるため、使いどころには注意が必要です。

▽ 地雷案件とは?

配達員が避けたい“トラブルになりがちな案件”のことです。

たとえば…

  • 店舗側:30分以上待たされる / 店のミスを配達員に謝罪させようとする
  • お客さま:不衛生なお札で支払い(濡れて臭う)/ 住所を間違えて遅配を逆ギレ

こうしたトラブルに何度か遭遇した私は、「地雷を回避できる自由さ」が副業には重要だと感じました。

▶ Woltの注意点

Woltは面談があるため、登録にやや手間がかかります。
そのため、まずはUber Eatsで慣れてから、Woltに登録するのがスムーズかもしれません。

本業志向の方におすすめ:出前館中心の稼働

本業としてしっかり稼ぎたい場合は、出前館が有力候補かも⁉

  • 固定報酬制のため、1件ごとの収益が読みやすく、計画を立てやすい
  • 中〜近距離の案件が多く、よくわからない土地へ行くことが少なめ
  • 自分に過失がない場合、ちゃんと報酬をもらえる

「今日は8時間しっかり稼働して、○件やる」というような計画的な稼働スタイルに向いていると感じます。

どんな働き方でもおすすめ:マルチアプリ運用(複数登録)

どのスタイルでも言えることですが、1社だけに頼るのはリスクがあります。

▶ 複数登録するメリット

  • アカウント停止やペナルティで突然報酬が途切れるリスクを回避できる
  • 注文の少ない時間帯でも、他社で稼働できる
  • 各社のキャンペーンやピークを見て切り替えられる

副業・本業どちらの場合でも、最低2社の登録をおすすめします。

慣れてきたら:3社までがおすすめ。4社以上は注意!

複数社に慣れてきたら、3社程度で柔軟に稼働するのが理想です。
ただし、4社以上になると管理が複雑になりやすく、ミスも起きやすいです。

▶ 実際に起きやすいトラブル

  • どのアプリで受けたか分からなくなる
  • オフにしたつもりが通知が来ていた or 来ていなかった
  • キャンセル漏れや通知見逃しでペナルティ…

私自身もこうしたミスを何度か経験しました。

まとめ

働き方おすすめアプリ理由
副業・初心者Uber Eats / Wolt気軽に始めやすく、自由度が高い
本業志向2〜3社のマルチ運用柔軟に対応できて収益安定化に◎
中上級者出前館固定報酬で予測しやすい

まずは1〜2社から始め、自分のライフスタイルや稼働状況に合わせて無理なく調整していくのがおすすめです。

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